書籍 ワークシフト リンダ・グラットン など、あなたの本当の価値を引き出すおすすめ資格一覧

書籍 ワークシフト リンダ・グラットン

書籍 ワークシフト リンダ・グラットン

終身雇用が幻想だったということは分かっていたとはいえ、そのメリットを享受できる端境期というか、いずれそれらの幻想は明るみに出るのだろうけど、まだ大丈夫といった感覚があったことは否定できない。標準的なモデルとしては、バブル崩壊後の不況だからこそ、大手に就職すれば何とか安定した生活が築ける可能性が高いというものだった。しかしそうした状況が急速に変わったのも周知の事実。大手企業の倒産や買収が当たり前のようにあり、生き残った企業にとっても経営状況にあわせて「生産調整」のように社員を減らすのも当たり前といった時代。

これまでの世界を支えるルールが変わったとき、果たしてどのような「働き方」をすべきなのか、否、どのような(働くことを含めた)生き方をすべきなのか。企業が僕らを守ってくれるわけではなく、またその働き様を正当に評価できない以上、僕らは僕らが主体的に判断し、行動し、働いていくしかない。しかも世界はソーシャル化が進み、所有からシェアへ、フラット化が進んだゆえのコミュニティの再発見が問われることとなった。そして東日本大震災。いつ、何が、どうなるか分からない時代。そんな中で自分なりに出した答えもある。それが正しいかどうかは分からない。後、何年、何十年かという就労期間を考えたとき、僕らは否が応でも「ワーク・シフト」せざるをえないのだ。

リンダ・グラットンは3つのシフトを提唱している。

第一のシフトは、1つの企業でしか通用しない技能で満足せず、高度な専門技術を磨き、他者との差別化をするために「自分ブランド」を築くこと。

第二のシフトは、難しい問題に取り組む上で頼りになる少人数の「同志(ポッセ)」グループとイノベーションの源泉となるバラエティに富んだ大勢のネットワーク(ビックアイデア・クラウド)と打算のない友人関係(自己再生のコミュニティ)という三種類のネットワークを構築すること。

第三のシフトは家族や趣味、社会との絆といった創造的経験を重んじる生き方に転換することだ。

まず第一のシフトは「ゼネラリス」から「連続スペシャリスト」へのシフトだ。仕事の世界で成功するための要因というのは、その時代に価値を生み出せる知的資本であり続けられるかどうかだ。これまでであれば1つの企業に閉じることによって、「ゼネラリスト」は重宝された。これだけテクノロジーが進化し、グローバルな規模で人材レベルでの競争が促進されるようになれば、いかに「自分ブランド」を確立するかが大事となる。そのためにはゼネラリストではなく、スペシャリスト、それも時代の変化に合わせて専門技能を連続的に習得していく必要が出てくる。

第二のシフトは第一のシフトで築いた「知的資本」と「人間関係」と結びつけることだ。これらかの世界というのは、インターネットで50億以上の人が結びついた世界であり、人間関係資本を築く方法飛躍的に拡大することになる。こうした人間関係を活用することで、自らの知的資本だけでは不足している課題を解決することも可能になる。そしてそのためには人間関係を3つの軸で整理する必要がある。それが「ボッセ(課題解決に向けた同志)」「ビックアイデア・クラウド」「自己再生のコミュニティ」だ。こうした関係性の質的な違いを理解したうえで活用することが必要となる。

第一のシフト、第二のシフトは職業生活をいかに活かすか、充実した経験とするかが主軸となるが、第三のシフトは仕事と私生活のバランスをどのように図るかというところが主眼となる。実はこれが最も難しい。「お金と消費に最大の価値を置く」発想のままでは僕らはどこまでも働き続けねばならない。しかし「よき父親」であることや「成長」重視の行き方、自分が大切にしたいと思う「経験」を重視しようとするならば、みずから「選択」を行わなければならない。自分の前にどのような選択があり、その結果、何を得て何を諦めねばならないかを理解しなければならない。

自らが本当に大切にしたいものが何か、一人一人の異なるニーズを理解し、それを実現するためにどういう働き方を実践するか――。そうした選択には自分の働き方の未来に責任を持たなければならない。

未来を形づくる5つの要因と32の要素(なにが働き方の未来を変えるのか?)

要因1.テクノロジーの進化

①テクノロジーが飛躍的に発展する。
②世界の50億人がインターネットで結ばれる。
③地球上のいたるところで「クラウド」を利用できるようになる。
④生産性が向上し続ける。
⑤「ソーシャルな」参加が活発になる。
⑥知識のデジタル化が進む。
⑦メガ企業とミニ起業家が台頭する。
⑧バーチャル空間で働き、「アバタ―」を利用することが当たり前になる。
⑨「人工知能アシスタント」が普及する。
⑩テクノロジーが人間の労働者に取って代わる。
 

要因2.グローバル化の進展

①24時間・週7日休まないグローバルな世界が出現した。
②新興国が台頭した。
③中国とインドの経済が目覚ましく成長した。
④倹約型イノベーションの道が開けた。
⑤新たな人材輩出大国が登場しつつある。
⑥世界中で都市化が進行する。
⑦バブルの形成と崩壊が繰り返される。
⑧世界のさまざまな地域に貧困層が出現する。
 

要因3.人口構成の変化と長寿化

①Y世代の影響力が拡大する。
②寿命が長くなる。
③ベビーブーム世代の一部が貧しい老後を迎える。
④国境を越えた移住が活発になる。
 

要因4.社会の変化

①家族のあり方が変わる。
②自分を見つめ直す人が増える。
③女性の力が強くなる。
④バランス重視の生き方を選ぶ男性が増える。
⑤大企業や政府に対する不信感が強まる。
⑥幸福感が弱まる。
⑦余暇時間が増える。
 

要因5.エネルギー・環境問題の深刻化

①エネルギー価格が上昇する。
②環境上の惨事が原因で住居を追われる人が現れる。
③持続可能性を重んじる文化が形成されはじめる。
 
「5つの要因」が繰り出す2025年の職業生活(未来ストーリー)

マイナスに作用した5人の架空の未来ストーリー
•・ロンドンで暮らす女性マネージャーのジル
いつも時間に追われていて、高度な専門技能をじっくりと学ぶことができない。
•・インドのムンバイで暮らす脳外科医のローハン、エジプトのカイロに住むフリーランスプログラマのアモン
やりがいのある職業生活を送っているようには見えるが、家族や気軽な仲間との結びつきが得られず、孤独な生活を送っている。
•・アメリカのオハイオ州に暮らす28歳のブリアナ、ベルギー南部で暮らすアンドレは、アルバイトで生活している。
グローバルな人材市場に加われず、先進国の住人でありながらグローバル下層階級の一員となっている。

「主体的に築く」明るい未来ストーリー
•・ブラジルのリオデジャネイロに住む29歳のミゲル
都市計画に関する専門技能と知識に磨きをかけ、「ビッグアイデア・クラウド」の一員としてアイデアを交換し、実りある経験とやりがいのある仕事の日々を送っている。
•・バングラデシュ南東部チッタゴン近郊の村でボランティアをしているジョンとパートナーのスーザン
男女の職業意識や役割が変化する中、自分にとって何が本当に大切かを理解し、その優先順位にそった職業生活を送っている。
•・中国中部の河南省でオーダーメイドのドレスを一貫生産販売しているシュイ・リー(その娘と孫)
企業に属さずにミニ起業家として働いているが、孤立しているわけではなく、他の大勢のミニ起業家たちと結びついて創造的な仕事をしている。

3つのシフト

第一のシフト:ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
•・ゼネラリスト的な技能から専門技能の連続的習得へシフト
•・資本:知的資本
•・資質:①専門技能の連続的習得、②セルフマーケティング
•・対応:広く浅い知識を持つのではなく、いくつかの専門技能を連続的に習得する。そのためには、時間とエネルギーをつぎ込む覚悟をする。
•・高い価値を持つ専門技能の条件
①価値を生み出す、②希少性がある、③模倣されにくい。
•・いくつもの小さな釣り鐘が連なって職業人生を形作る「カリヨン・ツリー型」のキャリアが主流となる。


第二のシフト:孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
•・個人主義、競争原理から人間同士の結びつき、コラボレーション、人的ネットワークへシフト
•・資本:人間関係資本、人的ネットワークの強さと幅広さ
•・対応:高度な専門知識と技能を持つ人たちと繋がり合って、イノベーションを成し遂げることを目指す姿勢に転換する。仕事とそれ以外の要素のバランスを取り、新たに重要となる活動に時間を割く。
•・人的ネットワーク
①ボッセ:同じ志を持ち、頼りになり、長期にわたる互恵的な関係(少人数)
②ビックアイデア・クラウド:大きなアイデアの源となる群衆
③自己再生のコミュニティ:頻繁に会い、リラックスしできる人達


第三のシフト:大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
•・貪欲に大量のモノを消費し続けるライフスタイルから質の高い経験と人生のバランスを重んじる姿勢へシフト
•・資本:情緒的資本、自分の選択について深く考える能力、勇気ある行動を取るための強靭な精神を育む能力
•・対応:際限ない消費に終始する生活をやめ、情熱を持って何かを生み出す生活に転換する。やりがいとバランスのとれた働き方に転換する。
•・「お金のためだけに働く」という古い考えでなく、「働くのは、充実した経験をするためで、それが幸せの土台」となる。自分の生き方と選択に責任と理解を持つ。

 
自分の未来予想図を描くためのプロセス

1.不要な要素を捨てる。
2.重要な要素に肉づけをする。
3.足りない要素を探す。
4.集めた要素を分類し直す。
5.一つの図柄を見いだす。
 
 

未来に押しつぶされないキャリアと専門技能

1.今後価値が高まりそうなキャリアの道筋
•・草の根の市民活動
•・社会起業家
•・ミニ起業家


2.特に重要性を増す専門技能
•・生命科学・健康関連
•・再生可能エネルギー関連
•・創造性・イノベーション関連
•・コーチング・ケア関連

 
欧米社会の「4つの世代」
•・1928~45年頃の生まれ:トラディショナリスト(伝統主義者)世代
•・1945~64年頃の生まれ:ベビーブーム世代
•・1965~79年頃の生まれ:X世代
•・1980~95年頃の生まれ:Y世代
(1995年以降の生まれ:Z世代)



Y世代の特徴(2025年には、45~60歳)
•・それ以前のどの世代よりも、長い思春期を経験した世代。
•・以前の世代よりも、経済のグルーバル化を明確に理解している世代。
•・コスモポリタン化したライフスタイルの世代。
•・本当の意味で、世界中の人々が結びついた世代。
•・バーチャルなコミュニティを舞台に活動する世代。
•・学習と成長の機会が得られることに、仕事での重きを置く世代。
•・協力志向が高い世代(ベビーブーム世代:競争意識が高い)
•・短期志向で、プロジェクト単位で働く意識が強い世代

(X世代:長期志向で、キャリア全体の事を考えて勤める)

 

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