書籍 『ノマドと社畜』 谷本真由美など、あなたの本当の価値を引き出すおすすめ資格一覧

書籍 『ノマドと社畜』 谷本真由美

書籍 『ノマドと社畜』 谷本真由美

日本におけるノマド・フリーランスを称揚論を批判的に捉え、英国での事例を紹介しつつ労働環境の変化について論じた書籍。

 本書で指摘されていることのポイントとして重要なのは、イギリスと日本では労働環境、それもフリーランスに関する社会的な地位や保障などが全く違う、ということ。例えばイギリスにはノマドの組合FCSAがあり、政治に対するロビー活動をするなど社会的な影響力を行使することができるという。また、専門性に長けた高い能力のあるノマドたちの平均年収は43556ポンド(1ポンド=130円換算で約560万円)と高く、場合によっては企業の管理職よりも良い待遇で働いている。
 これは、イギリスをはじめとするユーロ圏が実力本位で、国籍や性別が関係ないという厳しい格差社会だからこそ。思想的背景である個人主義が徹底しているというのも、日本とは全く違う環境だといえる。
 このような競争社会が日本でも取り入れることには是非があるだろうが、グローバリゼーションが進んだ現在では生産性が低い企業や人は容赦なく淘汰されていくだろうから、雇用形態の関係なしに「働く」=「生きる」ための戦術を身につける必要がある、というのが主張になるだろう。

日本の企業が実力や成果ではなく、社内やチーム内での融和といった要素で評価するケースもあるので、英語を身につけて国外を含めたマーケットで勝負すべきというのに頷ける部分は多々ある。一方で、厳しい競争の中で生き残っていけるひとは少数なので、そこに飛び込むのは無謀とも感じる。
 また、学生がインターンとして経験を「買う」という発想は、実家の資産がモロにモノをいう社会で、お金がない家にはよりチャンスが少ない、ということになる。そのことは本書でも紹介されていて、グラマースクールで階級の壁を乗り越えた人が中核となったサッチャー政権が能力主義を推し進めた結果、就職でも経験ベースになってしまったという皮肉な状況になっている。
 これが日本社会で許されるか、といえば、おそらく政治や有権者が認めないだろうなぁ、という感想になる。

 するとより優秀で安価な労働市場に人が流れて、日本企業や社会が衰退するばかりになるよ、というのが本書の裏テーマだと思えるのだけれど、こういった社会にアジャストできる人の方が少数派なので、「自分は世界で戦える!」という自信がある人でないと本当の意味での「ノマド」として働いていくことは難しいだろう。
 
 そんなこんなで、選ばれるだけの能力のある人や、「選ばれたい」と強く願う人にとって、本書は一読の価値がある。フリーランサーの実態やスキルを調べて、契約に関する法律や会計の知識を身につけ、英語を学ぶのもいいだろう。ただ、その努力が報われる保障はないということも踏まえておくべきだと思う。



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